『千段』

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みじかいおはなし
ジョージョーと鳥(旧作)[完結]


『ジョージョーと鳥・6』(みじかいおはなし・旧作)

2008.11.09  *Edit 

 どんな成り行きだったか、一度だけ、ジョージョーの部屋に行ったことがあるのだ。行く前はいろいろ予想して、きっと最近多い「ガーデニングに凝る主婦」みたいにベランダを鉢とかプランターとかでいっぱいにしているんだろうな、と思っていたけれど、実際には台所にアイビーとポトス、それに寝室にベンジャミンがあるだけだった。それよりも、圧倒されたのはジョージョーの絵のほうだった。
 とにかく、部屋のいたるところに彼が自分で描いた絵が飾られている。すべて草木や花の絵だ。だから、植物は3鉢しかないのに、部屋中が緑色なのだ。殆どが水彩で、油絵や色鉛筆、パステルなんかも少しあった。
 「凄いね、絵が好きなんだね」
 「うん、自己流だから下手なんだけどね」
 少し照れたようにジョージョーはうなずいた。木が夏に向かってどんどん葉の緑を濃くしていくのとか、季節の花が咲いているのとかを見ると、どうしても描きたくなってしまうんだ、と言った。
いつもの公園の絵だけでも何枚もあった。初対面のときにジョージョーが描いていた絵もあった。公園の垣根のドウダンツツジの絵だった。
「あのときは急に降ってきたから、少し濡れてるだろ?」
そう言われれば少し紙が波打っているようだったけど、絵の具がにじんだ跡なんかはうまく修正してあってわからなかった。ジョージョーの白い、女の人みたいにきれいな手が一心不乱にその作業をしているところを想像した。芸術家っぽいという感じではなく、かといって趣味で描いている人の楽しくて仕方ないというのびやかさもない。
「なんだか、きれいなんだけど、さびしい感じがする」
思わず言ったら、
「うん、だって描いてる僕がさびしいから描いてるんだもん」
とジョージョーはあたりまえのようにうなずいた。
「時間がさあ、過ぎていって、どんどんいろんなものが去っていくのがすごいさびしくて、どうにかしてとどめておきたい、そう思って描いてる、いつも。花が咲いても、すぐに散っちゃうんだな、って思ったらさびしくて、公園の木だって今はあんなに元気に緑だけど秋には枯れて葉っぱが落ちて、公園の掃除のおじさんが面倒くさそうに掃いて燃やしちゃうんだって思ったらさびしくて、世界がそうやって動いていくのがなんか全部悲しい感じがして、それでいてもたってもいられなくて描くんだ。だから、こうやって自分の絵に囲まれてるとほっとする。絵は変わらないから、淋しくならなくていいんだって思う」
淡々と喋っているジョージョーの表情は落ち着いていたのに、その横顔を見ていたら私はたまらなくなってしまった。
ジョージョーの見ている世界は夢のようにきれいだ。ソフトフォーカスがかかっているように、何もかもが淡くて、柔らかで、遠い。水彩画のように。幽霊のように。美しいけれどさわれない。
ジョージョーのほうが、幽霊のようにふるまっているから、だからそんな風に見えてしまうんだよ、と思った。なぜか悔しいような、歯噛みしたいような気分だった。




7に続く



*

*

*

じっくり読むと直したくなってしまうので、
淡々とただただコピペしているのですが、
それでもちらちら見るとやはり残念感が漂っています(笑)
しかも、書いたのが自分なので、やりたいこと自体は分かるだけに(笑)
ああ、こうやりたいんだよね、本当はね、でも出来てないっすよ、的な(笑)



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