『千段』

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みじかいおはなし
幸福の壺の主(旧作)[完結]


『幸福の壺の主・9』 (みじかいおはなし・旧作)

2008.11.24  *Edit 



 紙は、何でもいいそうなので、お気に入りの便箋にすることにした。字を邪魔しない程度の、うんと淡い色調の、木漏れ日に揺れる葉っぱの柄。

「俳優の、Orland Bloom(オーランド ブルーム)さんと、デートが出来ますように」

 名前くらいはちゃんと英語で正式に書かないと、と思ったり、でも、徳治郎さん英語分かんなかったらどうしよう、と思ったりで、結局、カタカナと両方書いた。そのままじゃいくらなんでも食べづらいだろうと、おみくじを木に結ぶ時みたいに、細長く畳んで結んで差し出すと、徳治郎さんは厳かにそれを召し上がった。と言っても、カエルは咀嚼しないので、ひょいとひと呑みにしただけなんだけど、それがなんでか私には、どことなく厳かな様子に見えたのだった。だいたい、カエルは普通、紙は召し上がらない。やっぱりこれはつまり、儀式みたいなものだから、いいのだ、多分、厳かで、合ってるのだ。

 この、私よりもずっと長生きをして、少なくとも三人分の「お願い文」を呑んでいる、不思議なカエル。実際に願いを叶えてくれているのが徳治郎さんなのかどうかはさて置くとしても、紙を呑んだり、壺に入ったり、を、彼はどういう気持ちでやっているのだろう。どんなふうにしてこの世に生まれて、どういう経緯でこんな、壺に入ることに相成ったんだろう。こんなふうに、「願い」を託されて、期待されたり、されなかったりするのは、いったいどんな気分なんだろう。私は、神様と呼ばれるものや、運命と呼ばれるものに思いを馳せる。深遠過ぎて、遠大過ぎて、なにがなんだか分からない。ただ、分かるのは、その、深遠で遠大なナニかと、徳治郎さんが、どこかでどうにかして繋がっているんだろうということだ。宇宙の神秘と、ウシガエル。凄い組み合わせだ。

 なんだか、びっくりしたり、興奮したり、一日で色々ありすぎだ、と思いながら、この一連のことごとを考えながら、徳治郎さんを眺めた。宇宙の神秘を内包した、でっかいカエル。上手く言えないけど、これから、私が生きていく上で、運命の考え方がちょっと変わりそうな気がした。この願いが、叶っても叶わなくても、いつかおばあさんになっちゃってもオーリーとデート出来てなくても、死ぬ前の日まで、徳次郎さんのお世話をしながら、「明日はオーリーと会えるのかも」って思いながら過ごすことが出来るのは、なんだかとてもいい。そんな気がした。
 そして私は、そんな、なんとも言えない楽しみをくれた幸福の壺の主に感謝の気持ちのウインクを贈ってから、明日の試写会で、もし早速デートのきっかけが出来た時に困らないように、全身をぴかぴかに磨き上げるべく、お風呂に入る支度を始めた。



了。





*

*

*

はい。
これで終わりです。
間違いじゃないです。
…もう本当申し訳ないです(汗)

伏線張るだけ張っといて、回収するのめんどくなって
そのまま終わっちゃいました感丸出しですね…(汗)
この終わり方自体は実は自分的にはイヤではないんですが、
そして、伏線回収する終わり方も一応用意はしていたんですが、
なんだか一番中途半端なことをしてしまいました。
しかし、回収しなかった伏線を消したりする作業とかしてて、
アップが遅れたりするのもアレなので、
もうこのまま行きます…(汗)
中途半端なモノをお見せしてしまってごめんなさい!

しかしもう最近書いた在庫がないので、
次からはまた古い奴にお付き合いいただくことになりそうです…
残念さを堪能するような、
海より広い心でお付き合い頂けましたら幸いです(←物凄く図々しい)



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