『千段』

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みじかいおはなし
ぼくたちの地図(旧作)[完結]


『ぼくたちの地図・1』 (みじかいおはなし・旧作)

2008.11.25  *Edit 



 ウサギの飛脚便屋の三兄弟の次男坊、佐宜次(サギジ)が、亀と競争して負けた――しかも、油断をして昼寝をしているうちに追い越されて負けたという、いかにも不名誉な噂は、あっという間に町中に広まった。それは、極めて正確な事実でもあったから、弁解のしようもない。

 ウサギとは、つまり、油断すれば亀にも負けてしまうくらいに足がのろく、しかも競争の途中で昼寝をするほどの怠け者だというので、飛脚便屋のお客は次々離れていった。とうとう、身一つでこの商売をはじめたおとっつぁんの跳十郎は、店をたたむ決心をして息子たちにこう言った。

「いいか、俺はおっかさんの墓のあるこの町を離れる訳にはいかねえ。幸い、わずかながら蓄えもある。俺一人のことならどうにでもなる。お前たちはまだ若い。これからだ。まだまだ一人前には程遠いが、三匹とも腕も立つ。どこか、噂のとどかねえ他所の町へ行って、働き口を見つけるなり、独立して商売を始めるなり、てめえの才覚で生きていけ。元気だったら便りのひとつも寄越しゃあいい」

 路銀の足しにと三匹にいくばくかの金を握らせると、おとっつあんは仏壇の遺影を見ながらきせるに火を入れた。

「おっかさんはそりゃあ立派なウサギだった。のんだくれで、走る以外に取り得のなかった俺を助けて、この商売を軌道に乗せたのもおっかさんだった。それで、この店には俺じゃなくておっかさんの名前をつけたのさ。『宇佐三屋』ってな。お前たちはなあ、このおっかさんの名前から一文字ずつ貰ったんだぞ。

 宇吉、お前は真面目ないいウサギだ。ちょっと頑固すぎるところがあるがな。こつこつ一生懸命やるのがお前の取り柄だから、職人にでもなればいい。

 佐宜次、お前は頭がいい。だが自惚れが強すぎる。だから亀なんかと競争して負ける羽目になるんだ。金勘定が出来るからお前は独立してやっていくのが向いてるのかもしれん。

 三々助、お前は気が優しい。お調子者だが愛嬌もある。大きな店の店子にでもなって可愛がって貰うことだ」

 そうして、三兄弟はその日の内に町を出て、あてもない旅へと出発したのだった。



2につづく。





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ミクシィ小説転載です(汗)
既読の方には申し訳ないです(汗)
在庫用意しとくの忘れてしまったので…

でも、最近お友達になった方とか、
ミクシィつながりじゃない方もいらっしゃるので、
そういう方に楽しんで頂けましたら幸いです!


あと。
アイシつながりでいらしてくださってる方へ。
11.24の更新で、まもりお誕生日小説あげてみました!
よろしかったらご覧になってみてくださいませ!



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