『千段』

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みじかいおはなし
星喰い(旧作)[完結]


『星喰い・6』 (みじかいおはなし・旧作)

2008.12.14  *Edit 



 何だって?
 『星を食べるのではなく』
「お前は私の星を喰ったのではないのか?」
「ええ、食べたわけじゃないわ。あなたから見えないように私の世界の中へ隠しただけ。ここからならもう見えるわ」
 私はがく然として頭上を仰いだ。はるかな高みに見えるのは、過去のどんなときも私が憧れ、目指した、強い、間違わない、確かな光だ。
 私の、星。
 たったひとつの確かな光。
 星喰いに食われるということは、あの星、あの、希望にみちたひかりへの旅を放棄するということだ。
 そして、旅を続けるということは、星喰いをこの手で殺すということなのだ。

「選ぶのはあんただ」
 老人の声が耳の奥によみがえる。そして、あの老人の幸福そうな表情が浮かぶ。
 幸福に、
 わらって。
 あなたは自分の選択に満足しているというのか、そうやってみじんの後悔も見せずにさっぱりとした笑顔で。そうやって得たものは旅人としての誇りを捨てるだけの価値があるものだったというのか。
 いや。
 誇りよりも。
 誇りなんて、そんな美しい話ではなくて、違う、そんなことじゃない。
 私は、私の星が好きなのだ。
 欲しくて欲しくてたまらないのだ。

「あたしを殺すの?」
 不意に、私の腕からするりと抜け出して、星喰いがそう、尋いた。
「判らない」
 判らない。
 ひとつを選べるわけはない。
「それでも、あなたが決めるのよ。あなたの自由なのよ」
 自由。
 そうだ。
 星喰いは選ぶことはできないのだ。
 自由。
 こんな呪わしい自由なら、いっそ必要なかった。有無を言わさず星喰いに食べられ、もうあなたは旅人ではないと言われたなら楽だった。たとえ一生星喰いを憎みつづけることになったとしても、その方がましだった。
「どうしても、選ばなくてはいけないのか? このままここでこうしていることはできないのか?」
「だめよ」
 星喰いはきっぱりと言った。



7に続く。




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