『千段』

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詩色々


『百代の過客』(詩)

2013.08.02  *Edit 

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突然、「老い」がうちに上がりこんでいたので、
私は憤慨して「勝手に入らないで下さい」と訴えた
そしたらまあ「何を言うのですか。いつも入れて下さるのに」
ときた。よくよく見れば、彼はいつも訪れる旅人と同じ顔だ。

「そうは言ってもねえ、物騒なご時世ですから」
私はさりげなく玄関の戸を開ける。
たしかにいつもの彼のようではあるけれど、
それでも間違いなく「老い」なのだ。
もしかしたらよく似た別人かもしれないし、
どっちにしても「老い」は困る。困るのだ。

「私はずいぶんここへは来たものですけれどねえ」
私の困った顔を見て、「老い」は悲しそうに言う。
彼はじっさい気のいい客で、
あれこれ一緒に過ごしたものだ。
言ってしまえば古い馴染みの、
友達なのだと言えるだろう。


ハロー。
ハロー。
代わり映えのしないような毎日!
私の肉体、私の時間。
それらはいつも朝起きると居て、
夜眠るまで一緒なのに、
何故か突然見たこともない「老い」という名の何かになる。
どうしてこうも世界は不自由だ。
何故にぎしぎし軋んで痛い。
衰え崩れて朽ちて行く。

何だろう何だろう。
昨日までは気のいい友達。

きっとそうではない。
偉い人たちは、そうは言うけれども。
ああ、今日も正座して、「老い」が私の家に居る。

ハロー。
ハロー。
どうしようもなく止められない下り坂。
それでも彼は、じっさいほんとに
気のいい馴染みの友達なのだ。




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